基礎代謝量を手計算で求める方法
- メートル法に換算する. キログラムとセンチメートルを使います。ポンド × 0.4536でキログラム、インチ × 2.54でセンチメートルになります。
- かけ算をする. 10 × 体重(kg)、6.25 × 身長(cm)、5 × 年齢(歳)をそれぞれ計算します。
- 足し算と引き算をする. 最初の2つの数字を足し、3つ目の数字を引きます。
- 性別の定数を加える. 男性は5を足し、女性は161を引きます。これが1日あたりの基礎代謝量(kcal)です。たとえば身長180 cm、体重80 kgの30歳の男性なら、800 + 1,125 − 150 + 5 = 1,780 kcalです。
基礎代謝計算のしくみ
この計算ツールは、同じ入力内容を公表されている3つの計算式に当てはめ、結果を並べて表示します。メインの数字にMifflin-St Jeorの式を使うのは、多くの成人でもっとも信頼性が高いからです。またCalorixアプリが使っているのとまったく同じ式なので、ここで出る基礎代謝はアプリの基礎代謝と一致します。
Mifflin-St Jeorの式(1990年):標準の式
普通体重の人と肥満の人を含む、19〜78歳の健康な成人498人の安静時エネルギー消費量の測定から作られました(Mifflinら、1990年)。
- 男性: 10 × 体重(kg)+ 6.25 × 身長(cm)− 5 × 年齢 + 5
- 女性: 10 × 体重(kg)+ 6.25 × 身長(cm)− 5 × 年齢 − 161
- その他: 同じ式で、男女の中間にあたる−78を使用
Harris-Benedictの式(改訂版、1984年)
もとのHarris-Benedict(ハリス・ベネディクト)の式は、1919年に発表されたものです。1984年にRozaとShizgalが、より大規模なデータをもとに式を作り直しました(RozaとShizgal、1984年)。ここで使っているのは、この改訂版です。
- 男性: 88.362 + 13.397 × 体重(kg)+ 4.799 × 身長(cm)− 5.677 × 年齢
- 女性: 447.593 + 9.247 × 体重(kg)+ 3.098 × 身長(cm)− 4.330 × 年齢
- その他: 男女の式の平均
Katch-McArdleの式:除脂肪量から計算
Katch-McArdleの式は、McArdle、Katch、Katchの教科書『Exercise Physiology』に由来する式で、性別、身長、年齢を使わず、代わりに除脂肪量から計算します。体脂肪率を入力したときだけ表示されます。
- 除脂肪量 = 体重(kg)×(1 − 体脂肪率 ÷ 100)
- 基礎代謝量 = 370 + 21.6 × 除脂肪量(kg)
除脂肪量に左右される式なので、精度は体脂肪率の推定しだいです。家庭用の体組成計の数値は体内の水分量で変わり、研究施設での測定とはっきり違うこともあります。
計算例
| 条件 | Mifflin-St Jeor | Harris-Benedict(改訂版) | Katch-McArdle |
|---|---|---|---|
| 男性、30歳、180 cm、80 kg、体脂肪率15% | 1,780 kcal | 1,854 kcal | 1,839 kcal |
| 女性、25歳、165 cm、60 kg、体脂肪率25% | 1,345 kcal | 1,405 kcal | 1,342 kcal |
男性の場合、Mifflin-St Jeorの式では10 × 80 + 6.25 × 180 − 5 × 30 + 5 = 1,780 kcalです。除脂肪量は80 × 0.85 = 68 kgなので、Katch-McArdleの式では370 + 21.6 × 68 = 1,839 kcalになります。3つの結果の差は約75 kcal以内に収まっていて、これはよくある程度のばらつきです。
どの計算式を信頼すればいい?
健康な成人を対象にした推定式のシステマティックレビューでは、肥満の有無にかかわらず、Mifflin-St Jeorの式が実測した安静時代謝の10%以内に収まる確率がもっとも高く、誤差の幅もいちばん小さいという結果でした。一方で同じレビューは、個人で見ると誤差が大きくなる場合もあること、研究の対象者に高齢者や一部の民族グループが少なかったことも指摘しています。
計算例からもわかるように、Harris-Benedictの式は、同じ人でもMifflin-St Jeorの式より少し高めに出る傾向があります。Katch-McArdleの式は、一部のグループで比較的よい結果を出しています。間接熱量測定で調べた健康な女性を対象とする2021年の研究では、試したほかの式よりも多くの人で実測値の10%以内に収まりましたが、それでも対象の女性の39.5%にとどまりました。実測の代わりになる計算式はありません。だからこの計算ツールは3つの結果をすべて表示しています。基礎代謝は、幅のある目安として読むのがいちばんです。
基礎代謝量(BMR)、安静時代謝量(RMR)、TDEE
- 基礎代謝量(BMR): 完全な安静時のエネルギーで、厳しい条件で測ります。
- 安静時代謝量(RMR): 同じ考え方で、それほど厳しくない条件で測ります。実際には、両者は近い値です。
- TDEE(1日の総消費エネルギー量): 1日に消費するすべてのエネルギーです。基礎代謝量に活動係数をかけて求めます。
| 活動レベル | 係数 | 例:基礎代謝1,500 kcalの場合 |
|---|---|---|
| 座りがち | 1.2 | 1,800 kcal |
| やや活発 | 1.375 | 2,063 kcal |
| 適度に活発 | 1.55 | 2,325 kcal |
| かなり活発 | 1.725 | 2,588 kcal |
| 非常に活発 | 1.9 | 2,850 kcal |
TDEEは、あなたの維持カロリーです。自分の活動レベルでのTDEEや、減量・増量のための目標カロリーを知りたいときは、摂取カロリー計算(TDEE)を使ってください。
体組成計やスマートウォッチで数字が違う理由
体組成計はふつう、生体インピーダンスで測った除脂肪量から基礎代謝を推定し、スマートウォッチはプロフィールや心拍数から推定します。どちらも独自の計算式を使っていて、ほとんどは公開されていません。また生体インピーダンスの数値は、体内の水分量、時間帯、直前の食事で変わります。数字が違っても、間違いというより別の推定値だと考えましょう。大切なのは、ひとつの情報源を決めて、数週間の実際の体重の推移と照らし合わせることです。
基礎代謝の男女差
計算式では、性別を体組成の代わりとして扱っています。同じ身長、体重、年齢なら、平均して男性のほうが除脂肪量が多く、除脂肪組織は安静時に脂肪より多くのエネルギーを使うからです。Mifflin-St Jeorの式では、この差は1日166 kcalの固定値です。体脂肪率がわかっているなら、Katch-McArdleの式は性別を使わずに除脂肪量から計算します。筋力系のアスリートなど、体組成が平均から大きく離れている人に向いていることがあります。
基礎代謝を変えるもの
- 体の大きさ。 体重が重く、身長が高いほど、基礎代謝は高くなります。
- 除脂肪量。 筋肉は脂肪より代謝が活発です。減量中に筋力トレーニングをすると基礎代謝を保ちやすいのは、このためです。
- 年齢。 Mifflin-St Jeorの式では、年齢が1歳上がるごとに1日5 kcalを引きます。これは主に、体組成がゆるやかに変化することを反映しています。
- 減量。 体重が減ると、体の大きさとともに基礎代謝も下がるため、同じ摂取量でもマイナス分は小さくなります。The Lancetに掲載されたモデル研究は、摂取量を変えたあと、体がどれほどゆっくり新しい状態に落ち着くかを示しています。
10代の場合
この計算ツールは成人向けです。10代について、Calorixアプリは、成長に必要なエネルギーも含めた、全米アカデミーズ(米国)の推定エネルギー必要量を使います。また、18歳未満の方には摂取カロリーを減らす目標を設定しません。
Calorixでの基礎代謝の使われ方
Calorixは初期設定のとき、これとまったく同じMifflin-St Jeorの式で基礎代謝を計算し、活動係数をかけて、タンパク質、炭水化物、脂質、食物繊維、水分の目標とあわせた1日のカロリー枠にします。体重が変わると、目標も更新されます。目標を計画するならカロリー収支計算を、カロリーを振り分けるならPFCバランス計算を試してみてください。
