Calorixのしくみ
Calorixの目標摂取カロリーとPFCバランスの計算方法
Calorixの目標摂取カロリーを決める計算式をすべて公開。Mifflin-St Jeorの基礎代謝、活動係数、ペース上限、カロリーの最低値、PFCバランス、食物繊維、水分まで。
執筆:Calorix 編集部, Invikta 1分で読める
Calorixが示す1日の目標摂取カロリーは、根拠のわからない数字ではありません。公表されている計算式と、明文化されたいくつかの安全ルールから算出しています。アプリとこのサイトの計算ツールでは、同じ目標計算エンジンが動いています。ここでは、そのすべてのステップを、自分で確かめられる2つの計算例とあわせて紹介します。
米国農務省と保健福祉省による米国人のための食事ガイドライン 2020–2025も指摘しているとおり、必要なカロリーは推定値で、摂取量が必要量に見合っているかを判断するいちばんの目安は体重です。本当の答えは、体重の推移が教えてくれます。
ステップ1:基礎代謝(BMR)を推定する
成人の場合、Calorixは、安静時に体が使うエネルギーである基礎代謝(BMR)を、Mifflin-St Jeorの式で推定します。
BMR = 10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢(歳) + s
s = +5(男性)、−161(女性)、−78(その他)
「その他」の−78は、公表されている2つの定数の中間値で、Calorixが明示している独自の選択です。年齢の項は、基礎代謝が年齢とともに下がることを反映しています。食事ガイドラインによると、大人が年齢を重ねるにつれて必要なカロリーが全体的に減っていくのは、このためです。
この式は、肥満のある人とない人を含む19〜78歳の健康な成人498人を対象に、間接熱量測定法を用いて作られました(Mifflinら、1990年)。厳密には安静時エネルギー消費量を予測する式ですが、多くのアプリではこれを基礎代謝と呼んでいます。よく使われる4つの式を比べた系統的レビューでは、この式が最も信頼でき、ほかのどの式よりも多くの人で、安静時代謝量を実測値の10%以内で予測できました。ただし、個人ごとの誤差は無視できない大きさになることもあります(Frankenfieldら、2005年)。
ステップ2:活動係数をかける
1日の総消費エネルギー(TDEE)には、体を動かして使うエネルギーが加わります。Calorixは、基礎代謝の式と組み合わせて広く使われている5段階の標準的な活動係数から1つを選び、基礎代謝にかけます。
| 活動レベル | 係数 | 基礎代謝1,780 kcalの場合のTDEE |
|---|---|---|
| 座りがち | 1.2 | 2,136 kcal |
| やや活発 | 1.375 | 2,448 kcal |
| 適度に活発 | 1.55 | 2,759 kcal |
| かなり活発 | 1.725 | 3,071 kcal |
| とても活発 | 1.9 | 3,382 kcal |
下の計算例Aの基礎代謝で見ると、活動レベルの選び方だけで、推定値が1日1,200 kcal以上変わります。これらの係数は慣例的な値で、実測値ではありません。選んだレベルが合っているかどうかは、体重の推移で確かめましょう。摂取カロリー計算ツール(TDEE)で試せます。
ステップ3:目標とペースから目標カロリーを決める
Calorixは、週あたりのペース(kg)に相当するエネルギーの分だけ、TDEEを調整します。
減量:目標 = TDEE − ペース × 7,700 ÷ 7
増量:目標 = TDEE + ペース × 7,700 ÷ 7
維持:目標 = TDEE
1 kgあたり7,700 kcalという数字は、英語圏でおなじみの「1ポンドあたり3,500 kcal」というルールを、おおむねメートル法に置き換えたものです。「減量」を選んでも、目標体重が現在の体重より0.1 kg以上低くなければ維持として扱います。「増量」も同様です。カロリー収支の計算ツールを使えば、自分の数値でこのステップを計算できます。
ペースの上限。ペースの上限は1週間に体重の1%で、0.75%を超えると注意が表示されます。体重80 kgなら、上限は0.8 kgで、0.6 kgを超えると注意が出ます。この上限があるので、プランが極端な食事制限になることはありません。参考までに、米国疾病予防管理センター(CDC)は、1週間に約0.5〜0.9 kg(1〜2ポンド)のペースで減量する人は、それより速く減らす人よりも、減らした体重を維持しやすいとしています。
7,700 kcalルールの限界。このルールは、体重の変化にともなって安静時代謝量や活動に使うエネルギーが変わるといった、体の適応を考慮していません(Hallら、2011年)。厳密に管理された7件の減量実験とこのルールの予測を比べた研究者は、実際の減量幅を多く見積もりすぎると警告しています(Thomasら、2013年)。Calorixはこのルールを出発点として使い、実際の進み方はたいてい徐々にゆるやかになることをはっきり伝えています。
ステップ4:カロリーの最低値を適用する
目標カロリーは、女性で1日1,200 kcal、男性で1,500 kcal、「その他」で両者の中間の1,350 kcalを下回ることはありません。1,200と1,500という値は、2013年のAHA/ACC/TOS(米国心臓協会・米国心臓病学会・米国肥満学会)の肥満ガイドラインにある範囲の下限です。このガイドラインは米国国立衛生研究所(NIH)の国立心臓・肺・血液研究所と共同で作成されたもので、減量のための食事を処方する方法のひとつとして、女性は1日1,200〜1,500 kcal、男性は1,500〜1,800 kcalを挙げています(Jensenら、2014年)。
最低値はどの目標にも適用され、目標カロリーを引き上げる方向にしか働きません。減量の目標カロリーが引き上げられた場合、Calorixは残ったカロリーの不足分から(TDEE − 目標)× 7 ÷ 7,700でペースを計算し直し、それをもとに目標達成日を決めます。
ステップ5:カロリーをタンパク質・脂質・炭水化物に振り分ける
グラムからカロリーへの換算には、米国の栄養成分表示で使われる一般的な係数を使います。タンパク質と炭水化物は1 gあたり4 kcal、脂質は9 kcalです(米国連邦規則21 CFR 101.9)。
タンパク質
タンパク質は、目標を考慮した体重1 kgあたり1.6 g、減量中は2.0 g/kgで、上限は現在の体重1 kgあたり2.2 g、かつカロリーの35%です。目標を考慮した体重とは、より低い目標体重に向けて減量中、またはより高い目標体重に向けて増量中なら目標体重、それ以外なら現在の体重のことです。こうすることで、減らしたい体重が多い人でも、目標が無理のない値になります。たとえば体重120 kgで目標が90 kgなら、240 gではなく2.0 × 90 = 180 gから計算を始めます。
- 1.6 g/kgは、米国人のための食事ガイドライン 2025–2030にあるタンパク質の目標1.2〜1.6 g/kgの上限です。また、49件の試験のメタアナリシスで、それ以上タンパク質を増やしても筋トレによる除脂肪量の増加に上乗せされなくなった値とも、ほぼ一致します(Mortonら、2018年)。
- 減量中の2.0 g/kgは、この範囲を少し上回ります。24件の試験のメタアナリシスでは、カロリーを制限した高タンパクの食事が、除脂肪量の減少を抑えるのに役立ちました(Wycherleyら、2012年)。それでも一般的なアドバイスの中では高めの値で、GLP-1療法に関する2025年の共同勧告では、1日2 g/kg以上の摂取を長期間続けるのは避けるよう提案しています(Mozaffarianら、2025年)。目標体重が現在の体重より低ければ、現在の体重1 kgあたりでは2.0 gを下回ります。GLP-1の薬を使っている方は、GLP-1の薬とタンパク質のガイド(英語)をご覧ください。
- カロリー比35%の上限は、2020–2025年の食事ガイドラインに示された、成人のタンパク質の許容主要栄養素分布範囲(10〜35%)の上端にあたります。
腎臓病のある方、妊娠中・授乳中の方、医師などからタンパク質の目標を指示されている方は、その指示に従ってください。くわしくはタンパク質の目標量の解説とタンパク質計算ツールをご覧ください。
脂質と炭水化物
- 脂質はカロリーの30%、ケトジェニックでは70%です。
- 炭水化物は残りの分です。ケトジェニックでは30 g、低糖質では130 gとカロリーの26%のうち低いほうが上限で、超えた分は脂質に回します。
自分の配分はPFCバランス計算ツールで試せます。
食物繊維、水分、端数処理
- 食物繊維は1,000 kcalあたり14 gです。これは米国医学研究所の2005年の報告書で食物繊維の目安量の根拠とされた値で、2020–2025年の食事ガイドラインで使われている食物繊維の目標でもあります。
- 水分は体重1 kgあたり33 mlで、シンプルな目安です。必要量は暑さや活動量、体調によって変わり、医師から水分制限を受けている場合はそちらが優先です。
- 端数処理:カロリーは10 kcal単位、グラムは1 g単位(0.5は切り上げ)、水分は50 ml単位で、それぞれいちばん近い値に丸めます。
計算例A:標準的な減量の目標
30歳の男性、身長180 cm、体重80 kg、活動レベルは「適度に活発」で、標準の配分のまま週0.5 kgの減量を目指す場合です。このペースは注意ラインの0.6 kgと上限の0.8 kgをどちらも下回り、最低値の1,500 kcalも関係しません。
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 基礎代謝 | 10 × 80 + 6.25 × 180 − 5 × 30 + 5 | 1,780 kcal |
| TDEE | 1,780 × 1.55 | 2,759 kcal |
| 目標カロリー | 2,759 − 0.5 × 7,700 ÷ 7 = 2,209を丸める | 2,210 kcal |
| タンパク質 | 2.0 × 80(2つの上限176 gと193 gをどちらも下回る) | 160 g |
| 脂質 | 2,210の30% = 663 kcal | 74 g |
| 炭水化物 | 2,210 − 640 − 663 = 907 kcal | 227 g |
| 食物繊維 | 2,210 ÷ 1,000 × 14 | 31 g |
| 水分 | 80 × 33 = 2,640 mlを丸める | 2,650 ml |
目標体重を75 kgにすると、タンパク質は150 g、炭水化物は237 gになり、75 kgまでの直線的な予測は70日です。
計算例B:カロリーの最低値が適用される場合
25歳の女性、身長165 cm、体重60 kg、活動レベルは「座りがち」、目標体重55 kgで、週1.0 kgの減量を希望した場合です。
- ペース:0.6 kg(60 kgの1%)に抑えられます。それでも注意ラインの0.45 kgを上回るので、Calorixは注意を表示します。
- 基礎代謝:10 × 60 + 6.25 × 165 − 5 × 25 − 161 = 1,345.25 kcal
- TDEE:1,345.25 × 1.2 = 1,614.3 kcal
- 調整前の目標:1,614.3 − 660(0.6 × 7,700 ÷ 7)で、約954 kcal
- 最低値:女性の最低値1,200 kcalを下回るため、目標カロリーは1,200 kcalになります。
- 実際のペース:(1,614.3 − 1,200)× 7 ÷ 7,700で、週約0.38 kg。55 kgまでの予測は93日になります。
- 三大栄養素:タンパク質は2.0 × 55 = 110 gになるところですが、35%の上限(420 kcal)により105 gになります。脂質は40 g、炭水化物は105 g、食物繊維は17 g、水分は2,000 mlです。
極端に低い目標ではなく、現実的な目標と正直な予測が示されるわけです。
目標達成日と、目標の更新
目標達成日は、これから変えたい体重を実際の週あたりのペースで割り、7をかけて、日単位で切り上げたものです。この直線は計画のための道具で、予言ではありません。Hallのモデルでは、摂取量を継続的に変えたときの体の反応はゆっくりで、最終的な変化の約半分に達するまでに1年ほどかかります。カーブはだんだんゆるやかになるものと考え、体重記録のなめらかにした傾向線を見守りましょう。
Calorixは、体重や目標が変わるたびに目標を計算し直します。使うのは、自分で記録した体重か、ヘルスケアから読み込んだ体重です。成人の式では体重1 kgごとに基礎代謝が10 kcal変わり、体重はタンパク質と水分の目標にも影響します。
18歳未満の方へ
Calorixを利用できるのは13歳からで、18歳未満の人にはカロリーを減らす目標を設定しません。「減量」を選んでも維持の目標になり、アプリは医師に相談するようすすめます。また、13〜18歳には別のエネルギーの式として、全米アカデミーズによる思春期向けの推定エネルギー必要量を使います。2020–2025年の食事ガイドラインによると、思春期には成長と発達を支えるために必要なエネルギーが増えていくからです。このサイトの計算ツールは成人向けに作られています。
計算式ではわからないこと
計算式は平均にもとづくもので、一人ひとりの病歴までは考慮できません。持病や腎臓病のある方、妊娠中・授乳中の方、摂食障害の経験がある方、GLP-1の薬や糖尿病の薬を使っている方は、医師や管理栄養士に相談してください。それ以外の方は、プランを数週間続けて体重の推移を見守り、必要に応じて活動レベルやペースを調整しましょう。
まとめ
Calorixの目標は、Mifflin-St Jeorの基礎代謝 × 活動係数をペースに合わせて調整し、カロリーの最低値以上に保ったうえで、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、水分に振り分けたものです。どのステップも、公表された計算式か明文化されたルールにもとづいています。よく考えられた最初の推定値として使い、体重の推移を見ながら調整していきましょう。
よくある質問
Calorixはどんな計算式で摂取カロリーの目標を決めていますか?
Calorixは、Mifflin-St Jeorの式で基礎代謝(BMR)を推定し、1.2〜1.9の活動係数をかけてTDEEを推定します。そこから、1 kgあたり7,700 kcalとして、週あたりのペースに相当するエネルギーを引くか足します。結果は女性で1,200 kcal、男性で1,500 kcal、その他で1,350 kcalの最低値を下回ることはなく、10 kcal単位に丸められます。
目標カロリーが性別によって変わるのはなぜですか?
Mifflin-St Jeorの式には性別による定数があり、男性は+5、女性は−161です。「その他」には、Calorixは中間値の−78を使います。米国の肥満ガイドラインにもとづくカロリーの最低値も、女性1,200 kcal、男性1,500 kcal、その他1,350 kcalと異なります。
Calorixの目標カロリーが思ったより高いのはなぜですか?
多くの場合、カロリーの最低値が理由です。Calorixは、女性で1,200 kcal、その他で1,350 kcal、男性で1,500 kcalを下回る目標は設定しません。最低値が適用されたときは、実際に残ったカロリーの不足分から、予測ペースと目標達成日を計算し直します。
Calorixでは、どのくらいのペースで体重を減らせますか?
Calorixで選べるペースの上限は1週間に体重の1%で、0.75%を超えると注意を表示します。実際の進み方は人によって異なり、たいてい時間とともにゆるやかになるので、予測日は目安として考えてください。
Mifflin-St Jeorの式は正確ですか?
2005年の系統的レビューでは、よく使われる式の中で最も信頼できるとされ、ほかの式よりも多くの人で安静時代謝量を実測値の10%以内で予測できました。それでも推定値であることに変わりはなく、個人によっては誤差が大きくなることもあります。
出典
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